PEST分析(マクロ環境分析)に䟡倀がない理由

2019-12-02
Daisuke Shoka

この゚ントリヌでは、PEST分析マクロ環境分析の問題点を孊びたしょう。

䌁業にずっお、マクロ環境の未来を予枬し、自瀟のビゞネスをそこに適合させおいくこずが重芁であるこずに議論の䜙地はありたせん。しかし、そのために俗に蚀う「PEST分析」を行うこずが正しいのかは、議論の䜙地が倧いにありたす。今回はそのあたりを考えおみたしょう。

なお、「マクロ環境」ずいう蚀葉や、それが䌁業に察しお持぀意味合いなどはこの゚ントリヌでは解説したせん。時間に䜙裕がある人は以䞋の゚ントリヌを先に読んでおいおください。

では始めたしょう。

前提

最初に前提を確認しおおきたす。以䞋の3点に぀いおは、この゚ントリヌでは所䞎である正しいずし、議論はしたせん。

  1. マクロ環境はビゞネスの根本的な成吊を決めおしたうため、その未来を予枬するこずは䌁業にずっお重芁である
  2. マクロ環境ずは「䞖の䞭」のこずなので、そのすべおを理解したり、正しく未来を予枬するこずは䞍可胜である
  3. 䌁業がフォヌカスを圓おるのは垂堎なので、マクロ環境の未来を予枬するこずばかりにリ゜ヌスを割くわけにはいかない

このあたりのこずは、冒頭で玹介した別゚ントリヌで説明しおいたす。

マクロ環境分析PEST分析ずは

本題に入りたしょう。䞀般に、調査・分析を通じおマクロ環境を理解・予枬しようずする行為をマクロ環境分析ず呌びたす。

Keyword

マクロ環境分析調査・分析をしお、マクロ環境を理解・予枬しようずするこず

マクロ環境分析には「PEST」ずいうフレヌムワヌクを䜿うこずが䞀般的です。

なお、マクロ環境分析に䜿えるフレヌムワヌクはPEST以倖にもあるのですが埌述したす、PESTがあたりに有名なせいで、マクロ環境分析ずは事実䞊、PEST分析のこずになっおいたす。ずいうこずで、PEST分析を芋おいきたしょう。

PEST分析ずは

たずは兞型的なPEST分析のアりトプット䟋を芋おください。

無䟡倀なPEST分析の䟋

このように、「PEST」ずは、マクロ環境を以䞋の4぀のカテゎリヌに分類するフレヌムワヌクです。

  • Politics: 政治的芁因
    • 法芏制、皎制、倖亀など
  • Economics: 経枈的芁因
    • 景気動向、為替、株など
  • Society: 瀟䌚的芁因
    • 人口動態、ラむフスタむル、文化など
  • Technology: 技術的芁因
    • 流行の/実甚化され぀぀あるテクノロゞヌ党般

それで、スラむドの右䞊に曞いおおきたしたが、このようなアりトプットは無䟡倀です。理由は以䞋のずおりです。

  • 単なる情報の矅列になっおおり、䜕の論点に答えおいるのか分からない分析結果ずしおの瀺唆・結論を欠いおいる
  • 䜕を考えるための情報なのかが分からないため、瀺された情報は重芁なポむントを挏らしおいないかの刀断ができない
  • 瀺された情報はありきたりなこずばかりで、わざわざ新しくアりトプットを䜜った意味がない
    • 人によっおはありきたりではないかもしれないが、そういう人にずっおは逆に「ずおも䞀床に凊理しきれる情報ではない」ずいう問題がある

おそらく、このようなアりトプットは日本囜内でこれたでに1䞇枚は生産されたでしょうし、珟圚も誰かが䜜っおいるはずです。しかし、ハッキリ蚀っお劎力の無駄ですので、同じものを䜜らないでくださいね。

PEST分析の問題点

ただ、私はこのようなアりトプットが生たれるのは分析者の責任ではないず考えおいたす。PEST分析そのものが、無䟡倀なアりトプットが生たれるメカニズムを構造的に抱えおいるのです。

PEST分析の構造的な問題は、倧きく分けるず以䞋の2぀です。

  1. 「分析」ずいう行為でマクロ環境を理解・予枬し、意思決定しようずするこず自䜓に無理がある
  2. 「PEST」ずいうフレヌムワヌクにも問題がある

ちょっずややこしいかもしれたせんが、順に説明するので安心しおください。

マクロ環境分析の問題点

たず、根本的な問題ずしお、「分析」ずいう行為でマクロ環境の理解や予枬をしようずするこず自䜓に無理がありたす。PEST云々の前に、「マクロ環境分析」ずいう行為そのものに問題があるずいうこずです。

理由はシンプルで、「マクロ環境」そのものを分析の察象ずしおも、答えが出せるレベルの論点を立おられたせん。「マクロ環境䞖の䞭」ずいう抂念は倧きすぎたす。

どういうこずでしょうか

「分析」の目的

倧前提ずしお、あらゆる分析の目的は、分析の結果ずしお䜕らかの問い論点に答えるこずです。䜕か知りたいこずがあっお分析するのであっお、情報を集めるこず自䜓は分析の目的ではありたせん。

぀たり、アりトプットが論点に答えおいない分析は、その時点で0点が確定したす。

Point

論点に答えおいない分析に䟡倀はない

ではもう䞀床、先ほどのアりトプットを確認したしょう。

無䟡倀なPEST分析の䟋

たさに、0点の分析の玠晎らしい芋本ですそうなるように䜜ったので、圓然なのですが1。

これはただの情報の矅列ですよね。どんな問いに答えたくおこのような情報を集めたのかも、情報を集めた結果ずしお䜕が蚀えるのかも、たったく分かりたせん。

なぜこうなるのか

このようなアりトプットを䜜っおしたう原因ずしお真っ先に考えられるのは、そもそも論点を意識しおいなかったずいうものです。「PEST分析」ずいう名前だけを知っおいお、「この4぀の箱を埋めればいいんだな」ず思っおしたったパタヌンですね。

しかし、たずえ「いた、䞖の䞭では䜕が起きおいるか/これから䜕が起きるか」ずいう論点を立おおいたずしおも、状況は倉わりたせん。この論点は䞀文で答えられるようなものではないからです。論点が挠然ずし過ぎおいお、どんな䞻匵答えをすればいいのか、サッパリ分かりたせん。

「いや、だからPESTで分解するんだろう」ず思うかもしれたせんが、残念ながらPESTで分解するこずも焌け石に氎です。どんなリサヌチをすれば、䞖の䞭のあらゆる政治やテクノロゞヌの抂況をたずめるこずができるのでしょう たた、それは珟実的な期間ず予算で終わるのでしょうか

結局、このアプロヌチだず、「既に知っおいたこず・闇雲に情報収集しお分かったこずを、PESTのどこかの箱に入れお矅列する。䜕も䞻匵はしない」ずいうこずしかできたせん。実際、それをしたのが先ほどのアりトプットです。し぀こいかもしれたせんが、もう䞀床確認しおください。

無䟡倀なPEST分析の䟋

なお、この4぀の箱をさらに「チャンス機䌚」ず「リスク脅嚁」に分ける考え方も存圚したすが、それでも0点なのは倉わりたせん。「䜕の事業のための」ずいう芖点がなければ、ある事象をチャンスずリスクに仕分けようがないからです2。

たずえば、「少子高霢化」は䞀般にリスクだず考えられたすが、高霢者向けのビゞネスをするならチャンスですよね。挫画によく出おくるこのセリフを思い出しおください。

bear

ピンチはチャンス

たずめるず、「いた、䞖の䞭では䜕が起きおいるか/これから䜕が起きるか」ずいう論点は、具䜓性がたったくなく、論点が無いのず同じだずいうこずです。この論点で分析を始めた時点で、「論点に答えるこず」ではなく「情報を集め・敎理するこず」が目的化し、倱敗が確定したす。

Point

「マクロ環境」そのものを分析の察象ずするず、絶察に倱敗する

しかし、こうなるのも圓然ですよね。「マクロ環境分析」ずいうネヌミングをされれば、普通に考えお「マクロ環境を分析するこず」がゎヌルであるず解釈するしかありたせん。この結果ずしお、先ほど挙げたような「論点ずしお機胜しない論点」を掲げるしかなくなり、ドツボにハマっおしたうのです。

誀解しないでほしいのですが、私は「情報を集め・敎理するこず」が垞に無意味だず蚀っおいるわけではありたせん。それを「分析」ず称するこずが問題なのです。䞀般に、「分析」ずは定たった期限たでに問いに答えるための手段を意味したす。぀たり、先ほどのような情報の矅列は「分析」ではありたせん。匷いお適切な名前を挙げるなら、「レポヌト」でしょうか。

さらに蚀うず、その手のレポヌトは「XX総合研究所」ずいった団䜓が無料で公開しおいたす。どうしおも情報の矅列が必芁な堎合は、そのようなレポヌトで代甚するずいう手があるので、芚えおおいおくださいね。

䌁業がマクロ環境を考える目的

では䞀旊、ネヌミングの問題は脇に眮いお、マクロ環境分析の目的を考えおみたしょう。䌁業は䜕のためにマクロ環境のこずを考えるのでしょうか

たず、ざっくり分けるず、䌁業が考えおいるこずは以䞋の2぀しかありたせん。

  1. 投資刀断ある事業を、やるか/やらないか続けるか/やめるか
  2. 事業の改善やっおいる事業を、どうやるか

蚀い換えるず、䌁業の本圓の関心はマクロ環境にはありたせん。

これは逆から考えたほうが分かりやすいでしょう。どれだけ䞖の䞭のこずを正しく理解・予枬できたずころで、それだけでは䌁業には䞀銭も入りたせん3。䌁業は自瀟の事業を回すこずでしか収益を埗られないのですから、䌁業の関心は垞にそこにありたす。

このあたりの話を掘り䞋げるず終わらなくなるため、この゚ントリヌではここたでずしたす。ピンず来ない人は以䞋の゚ントリヌを参考にしおください。

話を戻したしょう。この2぀のうち、マクロ環境が匷く関䞎するのは①投資刀断です4。前回の゚ントリヌで説明したずおり、マクロ環境はビゞネスの根本的な郚分を決めおしたうので、マクロ環境の倉化を投資刀断に反映させる必芁があるのです。

぀たり、䌁業は正しい投資刀断をするためのむンプットずしお、マクロ環境を考えるずいうこずです。これが䌁業がマクロ環境を考える目的・理由です。

具䜓的な論点の構造

では、具䜓的にどのような論点を立おればいいのでしょう

投資刀断なのですから、事業䌁画の評䟡か、自瀟の有する事業以降、「X事業」ずしたすの健党性を評䟡する論点になりたす。䟋ずしお、事業の健党性を評䟡する論点の構造を芋おください。

  • X事業を今埌も継続しお問題はないか
    • X事業の垂堎サむズは、これからどのように倉化するか
      • 顧客の問題ニヌズが総量ずしお倧きく増加・枛少するような傟向はあるか
        • 顧客の数はどう倉化するか顧客セグメントの人口動態
        • 顧客1人あたりの問題ニヌズの倧きさが倉化する可胜性はあるか文化/ラむフスタむルの倉化
      • 顧客が珟圚の商品䟡栌を払えなくなるようなこずはあるか顧客セグメントの経枈状況
    • X事業においお、圓瀟は今埌も競争優䜍性を維持できるか
      • 同じ問題ニヌズを解決できる、抜本的に利䟿性の高い別の商品が登堎する可胜性はあるかテクノロゞヌの脅嚁
        • そのような商品が登堎するずしたら、それはい぀か
        • そのような商品が登堎した堎合、圓瀟に勝ち目はあるか
    • 以降のサブ論点は割愛

倪字にした郚分は、マクロ環境に属する芁因です。先述のように、マクロ環境が投資刀断のためのむンプットになっおいるこずを確認しおください。

このように、自瀟の事業を起点にしお論点を組み立おるこずで埗られるメリットは以䞋の2぀です。

  1. 論点を、考えられるレベルの小ささに萜ずし蟌める的を絞ったリサヌチが可胜になる
  2. 聞く偎経営陣の興味をそそる内容にできる

この2぀はどちらも、ずおも倧きなメリットです。

そしお、䞊のような論点の構造で考えるこずを「マクロ環境分析」ずは呌びたせんよね。最䞊䜍の論点はあくたで投資刀断であり、マクロ環境はそのサブ論点を構成しおいるだけです。

結局、あらゆる意味で「マクロ環境分析」ずいう行為は筋が悪いのです。「マクロ環境」を論点にすれば自動的に倱敗する䞊に、そもそも䌁業はそんなこずに興味がありたせん。最䜎でも「マクロ環境分析」ずいう蚀葉の䜿甚は避けお、䌁業にずっお意味のある圢でマクロ環境を考えるアプロヌチを蚭蚈すべきだ、ずいうのが私の意芋です。

Point

マクロ環境は投資刀断をするためのむンプットである

健党なアプロヌチ案

ずいうこずで、マクロ環境を考える䞊での健党なアプロヌチを考えおみたした。このプロセスが「正しい」ず蚀い切る぀もりはありたせんが、少なくずも盲目的にPEST分析をするよりはマシなはずです。参考になれば嬉しいです。

  1. 察象ずする事業を定め、その投資刀断を論点にする圓然、トップ䞻導のプロゞェクトにする
  2. できればトップが論点を分解し、行いたい未来予枬ず、その基ずなる事実情報を定矩する
  3. 郚䞋が事実を集める
  4. 集たった事実を基に、トップが未来予枬、および最終的な投資刀断を行う

これは既存事業を想定しおいたすが、新芏事業の堎合は、䌁画を発想するプロセスを最初に組み蟌めばよいかず思いたす5。

なお、やたらずトップ経営陣が出おくる理由は、投資刀断はトップの仕事だからです。

投資刀断は䞭長期的な未来予枬に基づいお行うため、事実既に起きたこず/起きおいるこずだけでは意思決定ができたせん。事実を集めるこずは倧事ですが、最埌には䞻芳的な未来予枬によるゞャンプが必芁になりたす。

぀たり、投資刀断ずは、トップによる未来予枬いわゆる「トップのビゞョン」に賭けるギャンブルなわけです。ギャンブルするわけですから、党郚を郚䞋にやらせお刀断だけするのではなく、トップがゎリゎリに関䞎するのが筋でしょう。これをしないなら䜕がトップの仕事なのか、ずいうくらい、投資刀断はトップの仕事です。

䞀旊たずめるず、ずにかくマクロ環境をメむンの論点にしおはダメだ、ずいうこずに尜きたす。垞に自瀟の事業から考えたしょう。

PESTの問題点

ここからは、「PEST」ずいうフレヌムワヌクの問題点を芋おいきたす。既にマクロ環境分析そのものを吊定した埌なので蛇足に感じるかもしれたせんが、これを考えるこずで「どのようにマクロ環境を考えるべきか」の瀺唆が埗られたす。もうしばらくお付き合いください。

たずめるず、PESTの問題点は以䞋の2点です。

  1. 分類が網矅的MECEではない
  2. 優先順䜍が぀いおいない

①分類䞊の問題はただ蚱容範囲だが、②優先順䜍の問題が臎呜的だ、ずいうのが私の意芋です。

順に説明したす。

PESTの問題点①分類が網矅的MECEではない

PESTの第䞀の問題点は、分類が網矅的MECEではないこずです。

ずりあえず、以䞋の衚を芋おください。

マクロ環境芁因

これはマクロ環境に属する「ビゞネスに圱響を䞎えうる芁因」を分類し、それらを「䌁業がリ゜ヌスを割いお情報収集する䟡倀があるか」ずいう芖点で評䟡したものです。なお、以降はこのような芁因を「マクロ環境芁因」ず衚蚘したす。

Keyword

マクロ環境芁因マクロ環境に属する、ビゞネスに圱響を䞎えうる芁因

ずりあえず、PESTず衚の巊偎を比范しお、PESTには挏れがあるこずを確認しおください。少なくずも「Nature自然環境」が挏れおいたすよね。

PESTの亜皮

このような「PESTの挏れ」ずいうのは欧米では広く認識されおいるようで、様々なPESTの亜皮が考案されおいたす。具䜓的には、以䞋のようなものです。

  • PESTEL/PESTLE
  • SLEPT
  • STEPE
  • STEEPLE

どれも自然環境の芁玠を加えたり、Politicsの郚分をさらに现かく分解しおいたす。ただし、先ほどの衚にはこれらのフレヌムワヌクの芁玠も反映したので、詳现は説明したせん。興味のある方は、文末の参考文献を芋おください。

SSocietyの䜿い方がおかしい

现かい話ですが、SSocietyの意味が䞀般的な意味ずかけ離れおいるこずも、PESTずいう分類の問題点です。

普通に「瀟䌚Society」ずいう蚀葉を䜿う堎合、これは「人間が関わる事象党般」ずいう意味で、「自然」の察立抂念ずしお䜿いたす。蚀い換えるず、瀟䌚の䞀郚ずしお政治・経枈やテクノロゞヌがあるわけで、PESTずしお䞊列に䞊べられるず、Sが䜕を意味しおいるのか分からなくなるのです。

PESTにおけるSは人口動態やラむフスタむルを芋るものずされおいたすが、だったら最初からそういう蚀葉を䜿えばいいですよね。先ほどの衚では、その点は改善しおありたす。

分類の問題は蚱容範囲かも

このように、PESTには分類䞊の問題がたしかに存圚したすが、先述のずおり「そこたで目くじらを立おなくおもいいかな」ずいうのが私の意芋です。

繰り返しになりたすが、「マクロ環境䞖の䞭」ずいう抂念は倧きすぎるため、そもそも網矅的に分解するこずは䞍可胜です。その䞻芁な芁玠をあぶり出しただけでも、PESTの功瞟は評䟡されるべきでしょう。

問題は、「PEST」ずいうフレヌムワヌクにしおしたったこずで、あたかもこの4぀が平等な重芁性を持぀ように芋えおしたったこずです。ずいうこずで、2぀めの問題点を芋おいきたしょう。

PESTの問題点②優先順䜍が぀いおいない

PESTの第二の、そしお決定的な問題点は、優先順䜍が぀いおいないこずです。今床は衚の右偎を芋おください。

マクロ環境芁因

このように、いく぀かの芖点でマクロ環境芁因を評䟡するず、その重芁性はたったくバラバラであるこずが分かりたす。このような芖点を提䟛しないこず、もっず盎接的には「テクノロゞヌが軜く芋えるこず」が、PESTの倧きな問題点です。

泚意しおほしいのですが、優先順䜍やコメントは私芋です。特に、私は政治・環境たわりの話はビゞネスず関連させお扱った経隓がないため、そのあたりはほずんどコメントできたせんでした䞀応、環境孊郚出身なのですが、、、。今回、改めおロビヌ掻動政治献金などの有効性を考えおみたのですが、経隓がないず陰謀論になっおしたっおどうしようもないですね。䜕か分かったら远蚘したす。

ずにかく、私がここで䞻匵したいのは「この優先順䜍が正しい」ずいうこずではなく、「マクロ環境芁因には優先順䜍が存圚する」ずいうずころたでです。優先順䜍はあなたが぀けおください。

話を戻すず、この衚では、以䞋の2぀の芖点でマクロ環境芁因の優先順䜍を評䟡しおいたす。

  1. 日垞的な思考・行動の察象か
  2. 他瀟ずの差別化に繋がるか

1぀めの条件はフィルタヌで、その埌に2぀めの条件で優先順䜍を考えおいたす。

順に説明したす。

優先順䜍の考え方①日垞的な思考・行動の察象か

たず、先ほどの衚には「マクロ環境芁因」ず呌ぶにはあたりにもビゞネスに密着しおいる芁因がいく぀かあるので、それを取り陀きたしょう。日垞的な思考・行動の察象になっおいるマクロ環境芁因は、事実䞊はマクロ環境芁因ではありたせん。

どういうこずでしょうか たずは「マクロ環境」の定矩を確認したしょう。

マクロ環境ずは

このように、マクロ環境ずは「垂堎の倖」のこずです。この定矩に埓っお、そこに属しおいながらビゞネスに圱響を䞎える芁因をピックアップしたのが先ほどの衚になりたす。再掲しおおくので確認しおください。

マクロ環境芁因

しかし、この衚の䞭には、䌁業にずっお日垞的な思考・行動の察象になる芁因がありたす。

最も分かりやすいのはTax皎制です。皎金のこずを日垞的に考えおいない䌁業は存圚したせん。

たず、皎金は日垞的なオペレヌションに嫌でも食い蟌んできたす。売䞊が立぀たびに消費皎がセットで぀いおきたすし、絊料を払えば所埗皎に䜏民皎、決算時には法人皎です。

しかも、皎金ずは芁するにコストですから、この金額が䌁業の利益を決定したす。逆に蚀えば、節皎できるほど、䌁業の利益は増えるのです脱皎はダメ。

このような背景によっお、倚くのほずんどの䌁業は皎理士ず顧問契玄しおいたす。脱法的なグロヌバル節皎を駆䜿する巚倧䌁業に至っおは、皎理士チヌムが最倧のプロフィットセクタヌだず蚀っおも過蚀ではないでしょう。たた、皎金の倉曎は瀟䌚にずっおの䞀倧ニュヌスなので、十分な猶予期間をもっお広く呚知されたす。

芁するに、皎金は定矩䞊はマクロ環境に属しおいるずしおも、マクロ環境芁因ずしお扱うようなものではないのです。䌁業はずっず皎金のこずを思考・行動の察象にしおいるわけですから、䌁業からするずむしろ垂堎の䞀郚ず蚀えたす。

このように考えるず、䌁業にずっお実甚的なマクロ環境芁因の区分は「マクロ環境に属しおいるか」ではなく、「日垞的な思考・行動の察象になっおいないが、ビゞネスに圱響を䞎えるか」であるこずが分かりたす。日垞的な思考・行動の察象になっおいる芁因は、垂堎の䞀郚ずしお扱えばよいのです。

この芳点を採甚するず、以䞋の3぀の芁因はマクロ環境芁因から排陀しお構わない、ずいうのが私の考えです。ビゞネスに䞎える圱響が倧きすぎお、既に日垞的な思考・行動の察象になっおいるからです。

  • Tax皎制
    • 説明枈み
  • Exchange為替
    • 茞出入に関係しおいる䌁業なら日垞的な思考・行動の察象になる
    • そうでない䌁業には関係がない䞊に、未来予枬も䞍可胜
  • Climate倩候
    • 蟲業・持業などではオペレヌションレベルで組み蟌たれおいる

なお、䌁業のサむズが倧きくなるほど、先ほどの衚の䞭で日垞的な思考・行動の察象になる芁因が増えたす。たずえば、ロビむストを雇っおいるならPoliticsが含たれおきたすし、「XX研究所」のようなものを蚭立しお、党方䜍的にカバヌするこずもありえたす。そのあたりは各自で調敎しおください。

ずにかく、日垞的な思考・行動の察象になっおいたり、そのためのプロを雇っおいる芁因は、それを「マクロ環境芁因」ず呌ぶかに関わらず、この段階で䜕かを考える必芁はありたせん。すでに必芁な行動はプロセスずしお組み蟌たれおいるはずです。

怖いのは、意識の倖偎から刺されるこずです。日垞的な思考・行動の倖からいきなりビゞネスを砎壊されるから、マクロ環境芁因は怖いのです。

マクロ環境ずビゞネス

分かりやすく蚀うず、ある日いきなり埌ろから刺しおくるような芁因を「マクロ環境芁因」ず呌ぶべきだ、ずいう話です。

優先順䜍の考え方②他瀟ずの差別化に぀ながるか

次は、残った芁因に関しお、「その芁因にリ゜ヌスを泚ぐこずで、他瀟ずの差別化に぀ながるか」ずいう芖点で評䟡しおみたした。結局のずころ、そのマクロ環境芁因を考えるこずで行動が倉化しお、他瀟より優䜍に立おないなら、リ゜ヌスを泚ぐ意味はないですからね。

衚には含めおいたせんが、以䞋のような芖点で総合的に評䟡しおいたす。

  • ビゞネスにどのような圱響を及がすか
    • 垂堎サむズ・コスト構造・ビゞネスモデル・それ以倖のうち、どれが倉化するのか
  • 䞭長期的な未来予枬が可胜か
    • 予枬が完党に䞍可胜でも、あたりに粟床が高くおも他瀟ずの差別化に぀ながらない
    • たずえば、人口動態は囜立瀟䌚保障・人口問題研究所のデヌタ以䞊のものは甚意できなさそう→党瀟暪䞊び
  • リ゜ヌスを泚ぐこずで、他瀟が入手できない情報を入手できるか
    • 䟋政府関係者から公衚より早く情報を入手するこずは可胜なのか

衚を再掲しおおきたす。先述のずおり、答えきれない郚分も倚々ありたした。

マクロ環境芁因

結論だけ述べるず、ほずんどの䌁業が「マクロ環境芁因」ずしお最倧のリ゜ヌスを泚ぎ蟌むべきなのはTechnologyテクノロゞヌだ、ずいうのが私の意芋です。テクノロゞヌには、他のマクロ環境芁因にはない特城がいく぀もありたす。

  • テクノロゞヌだけが、ビゞネスモデルを抜本的に倉えるこずがある既存のニヌズを別のビゞネスモデルで刈り取るこずが可胜になる
    • 他の芁因はほがすべお、垂堎サむズかコスト構造に察する圱響
    • 「芏制」も新しいビゞネスモデルを可胜にするこずがあるが、これはギャンブルや薬物のような領域に限られる
  • テクノロゞヌは自分たちで理解しお、評䟡しないず意味がない
    • 各テクノロゞヌの自瀟にずっおの意味は、自瀟のビゞネスモデルずの関係で決たる
      • これに察し、EconomyやPoliticsの芁因は党䌁業に䞀埋のむンパクトであるこずが倚いので、プロの提案する解決策で問題ないこずも倚い
    • 自瀟のビゞネスモデルを完党に理解しおいるのは自分たちだけだから、自分たちでテクノロゞヌも理解するしかないテクノロゞヌ偎の話は、専門家の助けを借りるずしおも)
  • 新しいテクノロゞヌは䞖界の各地で偶発的に生たれおいるので、リ゜ヌスを投じお他瀟よりも先に最新テクノロゞヌの怜蚎・導入を始められれば、それだけ差別化の可胜性が高たる

こんな話をしなくおも、過去20幎で倧きく成長した䌁業はすべおテクノロゞヌ䌁業であるこずを考えれば、ここは議論の䜙地がないずころだず思いたす。

話をPESTに戻すず、「PEST」ずしおしたったこずで重芁性が四等分されおいるように感じられたすし6、しかもTが最埌です。䌁業にずっおの重芁性で考えるなら「T3Technology, Technology, and Technology」くらいのほうがよほど正しいず私は思いたす。

ただ、ここに関しおは「甘いな。今こそベットリずPolitics」みたいな考えもあるず思いたすし、あなたも自分で考えおみおください。ずにかく、四等分ではないはずです。

話を冒頭からの議論に戻すず、優先順䜍が高いマクロ環境芁因に関しおは「分析」をするのではなく、日垞的な思考・行動の察象にすべきでしょう。意識の倖偎から刺されないためには、垞に意識の内偎に入れ、行動を倉え続けるしかありたせん。

倉化の激しい時代ですからね。マクロ環境がビッグりェヌブのようにうねりを䞊げる珟代です。

以䞊、マクロ環境分析PEST分析の問題点を説明したした。次の゚ントリヌでは、各マクロ環境芁因に察しお行える日垞的な情報収集に぀いお考えおみたす埌日投皿予定。

たた、マヌケティング関連の゚ントリヌは以䞋のペヌゞにたずめおありたす。こちらも参考にしおください。

参考文献


  1. ちなみに、実際のPEST分析ではこのスラむドの埌に個々の情報を具䜓的に説明したスラむドが続く堎合もありたすが、それでも0点であるこずは倉わりたせん。たずめのスラむドが情報の矅列になっおいるなら、その時点で䞋䜍レベルの情報にも䟡倀は無いからです。↩
  2. ちなみに、もし分析察象ずする事業が決たっおいるなら、埌述するような論点の構造垂堎サむズや競争優䜍性で考えるべきであり、わざわざPESTを䜿う理由がありたせん。↩
  3. 未来予枬自䜓を商品にする䌁業は䟋倖です。↩
  4. これは比范論であり、②事業の改善においおマクロ環境を考えなくおいい、ずいう話ではありたせん。流行りのプロモヌション手法などは、積極的に利甚を怜蚎すべきでしょう。↩
  5. 「䌁画を発想するためにはアむデアの皮倚様な情報が必芁で、そのためにPEST分析をする」ずいう考え方もあるようです。しかし、この䜍眮づけでは、①分析の終わりが定矩できない/集めるべき情報も分からない、②それが優れた䌁画の発想に぀ながるずいう根拠もない無駄ではないず思いたすが、ずいう2点の理由により、私は吊定的です。↩
  6. 実際、流通しおいるPEST分析のテンプレヌトは、䟋倖なく蚘述スペヌスが四等分です。↩