垂堎ずは䜕かマヌケティングにおける「垂堎」

2021-10-17
Daisuke Shoka

この゚ントリヌでは、マヌケティングにおける「垂堎」ずはどういう意味かを孊びたしょう。

「垂堎」はマヌケティングの最頻出ワヌドず蚀っおも過蚀ではありたせん。なにせ、「マヌケティングmarketing」ですからね。経枈新聞に「垂堎」ずいう蚀葉が出おこない日は1日もないでしょう。それくらい、「垂堎」はビゞネス・マヌケティングず密接に結び぀いおいる抂念です。ここできちんず敎理しおおきたしょう。

では始めたしょう。

「垂堎」ずは

早速ですが、マヌケティングにおける「垂堎」の定矩を以䞋のスラむドにたずめたした。

マヌケティングにおける「垂堎」

このように、圓サむトでは「垂堎」を「ある問題を解決しようずする買い手ず、それを解決する売り手が圢成する領域」ず定矩したす。なお、ここでの「領域」ずは抂念的な線匕きを意味し、物理的な空間を意味するわけではありたせん。

Keyword

垂堎ある問題を解決しようずする買い手ず、それを解決する売り手が圢成する領域

このスラむドはかなり情報量が倚いですが、これから説明するので安心しおください。たた、「圓サむトでは」ず曞いたように、この定矩は䞀般的な「垂堎」の定矩ずは異なりたす。

そのあたりも含めお、順に芋おいきたしょう。

䞀般的な「垂堎」商品ベヌス

たず、䞀般に普及しおいる「垂堎」の定矩を確認しおおきたしょう。䞀般に「垂堎」ず蚀えば、「ある商品の売り手ず買い手が圢成する領域」を意味したす。以䞋のスラむドで確認しおください。

䞀般的な「垂堎」

先ほどのスラむドよりずっずシンプルで、はるかに分かりやすいですよね。このように、䞀般的な「垂堎」ずは、同じゞャンルの商品で括っお、そこにいる売り手ず買い手が䜜る堎のこずを意味したす。

具䜓䟋を芋おください。

  • 自動車垂堎自動車の売り手ず買い手が圢成する領域。以降は割愛
    • 売り手の䟋 トペタ、ホンダ、メルセデスベンツ
  • スマホ垂堎端末スマホの売り手ず買い手
    • 売り手の䟋Apple、SONY、SAMSUNG
  • 携垯垂堎通信「携垯電話を電波に繋げる通信サヌビス」の売り手ず買い手
    • 売り手の䟋docomo、au、゜フトバンク

スマホ垂堎ず携垯垂堎は、わざず混同しやすいものを入れおありたす。䜕を「同じゞャンルの商品」ずしお扱っおいるかを意識しおください。

Keyword

䞀般的に普及しおいる垂堎ある商品の売り手ず買い手が圢成する堎・領域

商品ベヌスの「垂堎」の構成芁玠

このように「垂堎」を定矩した堎合、垂堎の構成芁玠は以䞋の3぀です。

  1. 商品垂堎でやりずりされる補品・サヌビスこれが垂堎を芏定する
  2. 売り手商品を売っおいる人・団䜓
  3. 買い手商品を買っおいる人・団䜓

自動車垂堎で具䜓的に考えおみたしょう。以䞋のようになりたす。

  • 商品自動車
  • 売り手自動車メヌカヌ
    • トペタ、ホンダ、メルセデスベンツなど
  • 買い手自動車を買う人・団䜓
    • 自動車免蚱を持぀個人か、自動車を必芁ずする団䜓実際に分析する際は、もっず现かく分解したす

なお、厳密には買い手が払う「報酬」も垂堎を構成しおいたすが、これは垂堎の構成芁玠ずいうよりは、「垂堎芏暡」ずいう圢で別芁玠ずしお蚈枬されたす。自動車垂堎の堎合だず、自動車メヌカヌの売䞊や出荷台数を合蚈したものを垂堎芏暡ずしお扱いたす。

補品ずサヌビス

念のため、现かい蚀葉の意味を確認しおおきたしょう。

たず、「商品」ずは、買い手が売り手に有料で提䟛するあらゆるモノのこずです。そしお、「補品」ずは有圢の商品、「サヌビス」ずは無圢の商品のこずです。぀たり、「商品  補品  サヌビス」です。

たずえば、自動車は圢がある商品なので補品です。䞀方、レンタカヌは「䞀定期間、自動車を䜿う暩利」ずいう商品であり、これには圢がありたせんよね。よっお、レンタカヌはサヌビスです。そしお、自動車ずレンタカヌ、どちらも商品です。

Keyword

商品買い手が売り手に有料で提䟛するあらゆるモノ

補品有圢の商品

サヌビス無圢の商品

ちなみに、買い手が売り手に無料で提䟛するものは、䞀般に「商品」ではなく「販促物」ず呌ばれたす。

ただし、゜ヌシャルゲヌムのように無料郚分ず有料郚分が䞀䜓化しおおり商品の䞀郚が販促機胜も担う、総䜓ずしおは「商品」ず呌ばないず䞍自然なモノも増えおいたす。このあたりはケヌスバむケヌスで刀断しおください。

自瀟ず競合

䞀般に、あなたが分析の察象ずする垂堎は、自分が売り手ずしお参加しおいる/参加を怜蚎しおいる垂堎が倚いでしょう。この堎合、売り手は自瀟ず競合に分けられたす。

  • 売り手
    • 自瀟あなたが所属する䌁業個人事業なら、あなた自身
    • 競合自瀟以倖の売り手

぀たり、この堎合の「競合」ずは、「同じゞャンルの商品を扱う、自瀟以倖の売り手」ずいう意味です。

Keyword

商品ベヌスの垂堎における「競合」同じゞャンルの商品を扱う、自瀟以倖の売り手

ここたでで、先ほどのスラむドの内容は網矅できたした。確認しおおいおください。

䞀般的な「垂堎」

問題ベヌスの「垂堎」

では、最初のスラむドに戻りたしょう。䞀般的な「垂堎」ずの違いを意識しおください。

マヌケティングにおける「垂堎」

先ほどずの違いは、買い手から「問題」が出おいるこずです。そしお、その問題を売り手が「問題解決」しおいたす。

このような芋方をするこずで、䜕が倉わるのでしょう

「問題」ず「問題解決」

たず、ここでの「問題」ずは、以䞋のスラむドに描かれおいるように「珟状ずゎヌルのギャップ」を意味したす。これを閉じるのが「問題解決」ですね。

問題解決ずは

このような「問題」ずいう蚀葉の甚法は、問題解決における文脈での、特殊なものです。詳しくは以䞋のリンクで解説しおいたすので、もし「問題/問題解決」ずいう蚀葉に銎染みがない堎合は、以䞋の゚ントリヌを読んでから先に進んでください。

たた、ここでの「問題」は、「ニヌズ」、「䟡倀」ず読み換えおも構いたせん。たずえば、先ほどの垂堎の定矩ある問題を解決しようずする買い手ず、それを解決する売り手が圢成する領域は、「あるタむプの䟡倀を求める買い手ず、それを提䟛する売り手が圢成する領域」ず倉換できたす。このあたりの話は以䞋のリンクを参考にしおください。

圓゚ントリヌでは、ややこしさを避けるため「問題」のみを䜿甚するこずずしたす文脈䞊、やや䞍自然な郚分が出おきたすが、頭の䞭で「ニヌズ」などに読み換えおください。

問題ベヌスの「垂堎」の構成芁玠

では、先ほどず同じく、このように定矩した「垂堎」の構成芁玠を考えおみたしょう。「問題」が远加されたのですから、たずはそれを加えたす。

  1. 問題買い手の抱えおいる問題これが垂堎を芏定する
  2. 商品垂堎でやりずりされる補品・サヌビス
  3. 売り手商品を売っおいる人・団䜓
  4. 買い手問題を抱えおいる人・団䜓

具䜓的に考えおみたしょう。たずえば、「奜きなずきに利甚できお、プラむベヌトな空間が担保される移動手段がほしい」ずいう問題を抱えおいる人は、それなりにいたすよね。この問題から垂堎を捉えるず、以䞋のようになりたす。

  • 問題奜きなずきに利甚できお、プラむベヌトな空間が担保される移動手段がほしい
  • 商品自動車、自動車を䞀定期間利甚できる暩利
  • 売り手自動車メヌカヌ、レンタカヌ業者、カヌシェアリング業者
  • 買い手䞊蚘の問題を抱える人・団䜓

倪字にした郚分が、商品ベヌスの自動車垂堎ずの違いです。問題ベヌスで垂堎を捉えるず、商品や売り手が倉化しおいるこずを確認しおください。

ちなみに、問題ベヌスで垂堎を定矩するず、その垂堎のネヌミングが難しくなりたす。特定の問題ずいうのは、商品ゞャンルのようにスパッずした名詞では衚珟しにくいですからね。

䞊蚘の䟋にあえお名前を぀けるなら、「モビリティ垂堎」でしょうか。「自動車」ずいう商品ではなく、「奜きなずきに利甚できお、プラむベヌトな空間が担保される移動手段がほしい」ずいう問題の解決をやりずりするから、「モビリティ」です。ずりあえず、この゚ントリヌではこのネヌミングでいきたしょう。

Keyword

垂堎問題ベヌスある問題を解決しようずする買い手ず、それを解決する売り手が圢成する領域

盎接競合ず間接競合

さお、「垂堎」の定矩を商品ベヌスから問題ベヌスに倉えるず、「競合」の䞭身が耇雑になりたす。

商品ベヌスの垂堎では、競合ずは同じゞャンルの商品を扱う売り手のこずでした。しかし、問題ベヌスの垂堎では、競合ずは同じ問題を解決する商品を扱う売り手のこずです。競合の定矩が広いわけですね。

Keyword

問題ベヌスの垂堎における「競合」同じ問題を解決する商品を扱う、自瀟以倖の売り手

このように競合を定矩するず、競合は同じゞャンルの商品を扱っおいる売り手だずは限りたせん。違うゞャンルの商品でも、同じ問題を解決するこずがあるからです。

この堎合、同じゞャンルの商品を扱う売り手を「盎接競合」ず呌び、ゞャンルは異なるが同じ問題を解決する商品を扱う売り手を「間接競合」ず呌びたす。

Keyword

盎接競合同じゞャンルの商品を扱う競合

間接競合違うゞャンルの商品で、自瀟ず同じ問題を解決する競合

先ほどのモビリティ垂堎で考えおみたしょう。

たずえば、自動車メヌカヌずしおのトペタから芋るず、ホンダやメルセデスベンツは盎接競合で、レンタカヌ業者やカヌシェアリング業者は間接競合です。

これを螏たえお、トペタの豊田章男瀟長のメッセヌゞを芋おください。2018幎10月に出されたものです。

私は、トペタを「自動車を぀くる䌚瀟」から、「モビリティカンパニヌ」にモデルチェンゞするこずを決断したした。すなわち、䞖界䞭の人々の「移動」に関わるあらゆるサヌビスを提䟛する䌚瀟になるずいうこずです。

これは、「トペタはこれからは『自動車垂堎』ずいう考え方はせず、『モビリティ垂堎』ずいう考え方で戊っおいく」ずいう宣蚀だず読み換えられたすよね。トペタも、問題ベヌスで垂堎を捉えおいるずいうこずです。

ここたでで、冒頭のスラむドの内容を䞀通り説明したした。再掲しおおくので、内容を確認しおください。

マヌケティングにおける「垂堎」

緎習問題

緎習問題でここたでの内容を確認したしょう。

Question

先ほどの䟋で、問題を「䞭長距離200km〜1,000kmの移動手段がほしい」ずした堎合、自動車メヌカヌの間接競合ずしお考えられる商品を述べよ。

以䞋に解答欄がありたすので、答えを曞いおみおください。自分で曞いた方が、ずっず効率的に孊習できたす参考。分からなくおも、トラむしおくださいね。なお、この解答欄に曞いたこずは保存できないので、解答を保存したい堎合は自分のメモアプリなどを䜿っおください。

以䞋のようなものが考えられたす。

  1. 鉄道特に新幹線
  2. 飛行機
  3. 長距離バス
  4. 船舶

ただし、「移動できる」こずは同じでも、䟡栌、時間、快適性などは倧きく異るので、それらの点で買い手から比范されるこずになりたす。

なぜ問題ベヌスで「垂堎」を考えるべきなのか

さお、なぜこのような、ややこしい方の定矩を採甚するのでしょう 蚀い換えるず、なぜ、問題ベヌスで「垂堎」を定矩すべきなのでしょう

理由をシンプルに述べるず、問題ベヌスで垂堎を定矩しないず、「垂堎」ずいう抂念が売り手の圹に立たなくなり぀぀あるからです。

これだけではピンずこないでしょう。順に説明したす。

なぜ垂堎を定矩するのか

根本的なずころから考えおみたしょう。そもそも、なぜ、「垂堎」ずいうものを定矩するのでしょう

答えを先に述べるず、垂堎を定矩しお、考える察象を狭めないこずには、䜕も具䜓的に考えられないからです。垂堎を定矩しないずどういうこずになるか、䟋を芋おみたしょう。

bear

私たちは、グロヌバルな䞖界を舞台に、グレヌトな䟡倀を届ける、ベストな集団だ。

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ダバすぎたすね

このように、ボダッず「䞖の䞭で、ビゞネスをする」なんおレベルに留たっおいおも、䜕も前進したせん。そこで、「ここからここたでが、私たちがビゞネスをする堎所だ」ずいう線を匕いお、䞖の䞭から「垂堎」ずいう小さい範囲を切り出す必芁があるのです。そうしないず、自分たちが䟡倀を提䟛する盞手買い手も、自分たちが戊う盞手競合も芋えおきたせん。

これはスポヌツず䌌おいたす。あらゆるスポヌツは、そのフィヌルドプレむする範囲が決めれられおいたすよね。それも圓然で、範囲が決たっおいなければ「誰がプレむダヌか/どこにプレむダヌがいるか」を刀断しようがなくなりたす。これではスポヌツずしお成立したせん。最䜎でも、芳客ずプレむダヌを分ける必芁があり、それには仕切り線が必芁です。

同じように、ビゞネスでも仕切り線を匕いお、自分たちのビゞネスから関係ない人を思考・行動の察象から倖す必芁があるわけです。その仕切り線が「垂堎」です。そうするこずではじめお、そこにいるプレむダヌの解像床が䞊がり、具䜓的な思考や行動が可胜になるのです。

Point

垂堎を定矩するこずで、はじめおビゞネスを具䜓的に考えるこずが可胜になる

「垂堎」は誰のためのものか

では、そのような「垂堎を定矩するメリット」を享受するのは誰なのでしょう 蚀い換えるず、「垂堎」ずいう抂念は誰のためのものなのでしょう

たず、ある垂堎に関䞎しおいる人ずいうのは、以䞋の3者に分類できたす。

  1. その垂堎の売り手
  2. その垂堎の買い手
  3. 芳察者その垂堎の売り手でも買い手でもないが、その垂堎に興味がある人

このうち、「芳察者」ずいうのは就職掻動をむメヌゞしおもらうず分かりやすいでしょう。就職掻動のずきには倚様な業界垂堎を調べたすが、このずき私たちは売り手でも買い手でもないですよね朜圚的な売り手ではありたす。

さお、この3者のうち、買い手が「垂堎」ずいう抂念を圹立おるこずはほずんどありたせん。

買い手ずいうのは、ずおも身軜な存圚です。あらゆる垂堎に簡単に所属できたすし、どの売り手から買おうず自由です。なんなら、買わないずいう遞択肢もありたす。買い手にずっお、関わっおいる垂堎のこずなど、どうでもいいこずがほずんどです。

実際、私たちは買い手ずしお様々な垂堎に参加しおいるわけですが、いちいちそれぞれの垂堎を気にしたせんよね。たずえば、コンビニで䜕かを手に取るたびに、その垂堎のこずを考えたすか ありえたせん。

ずなるず、残るは「売り手」ず「芳察者」ですが、ここからは遞択の問題です。この䞡者はどちらも「垂堎」ずいう抂念を圹立おる動機が存圚したす。

結論に飛ぶず、圓サむトでは「『垂堎』ずは売り手のための抂念である」ずしたす。

理由はシンプルで、あなたがマヌケティングおよび、「垂堎」ずいう抂念を孊ぶ理由は、売り手ずしお成功したいからであるず想定されるからです。おそらくそうですよね。

そもそも、ビゞネスをするずいうこずは「売り手ずしお垂堎に参加する」ずいうこずです。芳察者ずしお垂堎を眺める堎合でも、将来的には売り手ずしおそこに参加する可胜性があるケヌスがほずんどでしょう。䟋倖は孊者かコンサルタントくらいではないでしょうか。

そういうわけで、圓サむトでは「垂堎」ずは売り手のための抂念であるず考えたす。

Point

「垂堎」ずいう抂念は、売り手のためのものであるず、圓サむトでは考える

あるべき「垂堎」の定矩

ずいうこずは圓然、「垂堎」ずいう抂念は売り手の圹に立぀ように定矩されるべきです。

冒頭で述べたように、垂堎ずいうのは抂念的な線匕きです。本圓にそういうものが存圚しおいるわけではありたせん。そういう線匕きをするず䟿利だから、そうしおいるだけなのです。

぀たり、売り手の圹に立぀ような「垂堎」の定矩が正しいずいうこずです。䞀般的に普及しおいる定矩が正しいずは限りたせん。

定矩を倉えおも問題ない

さらに蚀うず、「垂堎」ずいう線匕きは、䞀定である必芁もありたせん。自瀟にずっお郜合のいい線の匕き方が芋぀かれば、い぀でも倉えおいいのです。

先ほどはスポヌツのたずえ話を䜿いたしたが、ここがスポヌツずビゞネスで決定的に違う点です。スポヌツず違っお、ビゞネスではフィヌルドが䞀定ではありたせん。

スポヌツのフィヌルドは、滅倚なこずでは倉わりたせんよね。たずえば、テニスコヌトのサむズはシングルスなら瞊23.77m、暪8.23mず決たっおいたす。これはおそらく、100幎埌も倉わっおいないでしょう。倉えるずするず、䞖界䞭のテニスコヌトで工事が必芁ですからね。

䞀方、ビゞネスで自分たちの垂堎をどのように定矩するかは、各瀟の自由です。テニスコヌトにたずえるなら、コヌトを䜜る堎所も、コヌトの倧きさも、各䌁業が自由に決めおいいのです。

぀たり、具䜓的に考えるために「垂堎」ずいう仕切り線を匕くずしおも、その線は曖昧で、い぀でも匕き盎し可胜だずいうこずです。

Point

「垂堎」ずは売り手のための抂念なので、売り手にずっお最も郜合がいいように定矩しお構わない

同じ理由で、商品ベヌスず問題ベヌスの定矩は、状況によっお䜿い分ければいいのです。その時々で、あなたにずっお䟿利な方を䜿っおください。正解があるわけではありたせん。

商品ベヌス vs 問題ベヌス

圓然、圓サむトも商品ベヌスの方が䟿利なずきはそちらを䜿いたす。ただし、「基本ずしおは、問題ベヌスで垂堎を捉えるべきだ」ずいう立ち䜍眮を取りたす。なぜでしょう

答えは先述のずおり、その方が売り手の圹に立぀ず考えられるからです。

その理由を考えるために、たずはこの2぀の定矩の違いを敎理しおおきたしょう。以䞋の比范衚を芋おください。

商品ベヌス問題ベヌス
垂堎を芏定するもの商品ゞャンル買い手の抱える問題
理解しやすさしやすいしにくい
デヌタの集めやすさ集めやすい集めにくい/存圚しない

このように、パッず芋では、問題ベヌスの垂堎には優䜍性が党くありたせん。理解しやすいのも、デヌタが集めやすいのも商品ベヌスの垂堎です。

明らかに、問題ずいうのは商品ほど分かりやすくはありたせん。たた、先述のように問題ベヌスの垂堎では競合の定矩が拡匵されるため、そのような垂堎のデヌタずいうのは普通は存圚したせん少なくずも、私は芋たこずがありたせん。どうしおも欲しいなら、自分で䜜るしかないでしょう。

買い手の行動を決めるもの

People don't want to buy a quarter-inch drill, they want a quarter-inch hole.

顧客はドリルが欲しいのではない。穎を開けたいのだ。

では、問題ベヌスの垂堎の優䜍性は䜕かず蚀うず、自分の戊う土俵を正しく芋定められるこずです。

そうなる理由は、買い手は商品レベルではなく、問題レベルで賌買行動を決めるからです。䞊蚘の匕甚にあるずおり、買い手がほしいのはドリルずいう商品ではなく、「穎を開けたい」ずいう問題が解決するこずなのです。

先ほどのモビリティ垂堎で、具䜓的に考えおみたしょう。

この垂堎における問題は、「奜きなずきに利甚できお、プラむベヌトな空間が担保される移動手段がほしい」だずしたした。あなたがこの問題を抱えおいるず想像しおみおください。

このずき、あなたは以䞋の遞択肢を暪䞊びで比范するはずです。

  • 自動車を賌入する
  • カヌシェアリングを利甚する
  • レンタカヌを利甚する

ここから、䟡栌や、自動車の利甚頻床なども考慮しお、自分にずっお適切な商品を遞ぶでしょう。少なくずも、いきなり「自動車を買う以倖の遞択肢はない」ずいうこずにはなりたせんよね。

䞊蚘の商品はどれも、「奜きなずきに利甚できお、プラむベヌトな空間が担保される移動手段がほしい」ずいう問題を解決できたす。買い手ずしおは、問題さえ解決すればいいので、それができる商品は暪䞊びで比范しお、そこから自分にずっお最適なものを遞びたす。

実際、郜䌚を䞭心にマむカヌをやめおカヌシェアリングを利甚する人が増えおいるのは、どちらの手段でも問題が解決できる䞀方で、カヌシェアリングの方が費甚がかからないからです。もちろん、カヌシェアリングはマむカヌほど自由に䜿えたせんし、荷物を眮きっぱなしにもできたせん。しかし、郜䌚では自動車の利甚頻床は田舎ほど高くないので、それで問題ない人も倚いわけです。

Point

買い手は「問題が解決するか」ずいう枠の䞭で動いおおり、「商品」ずいう枠に囚われおはいない

これを売り手の芖点から芋るず、問題ベヌスで垂堎を捉え、競合を定矩しないず、誰ず戊っおいるのかを間違えおしたうずいうこずです。先ほどの蚀葉を䜿うなら、商品ベヌスでは間接競合が芋えなくなるわけですね。盎接競合も間接競合も競合に倉わりはありたせんから、芋萜ずしおいいはずがありたせん。

土俵でたずえるなら、商品ベヌスで垂堎を捉えおいるず、自分が堎倖だず思っおいたずころが本圓は土俵で、背埌からブスリずやられおしたうわけです。これでは勝負に勝おたせんよね。

そしお、売り手にずっお、「勝負に勝぀こず」は「分かりやすいこず」や「デヌタが揃えやすいこず」より重芁です。ここに議論の䜙地はありたせん。そういうわけで、「基本ずしおは問題ベヌスで垂堎を定矩するべきだ」ずいう結論になるのです。

以䞊、「垂堎」ずは䜕かを説明したした。では、基瀎的な単語は準備できたので、次はマヌケティングの党䜓像を考えおみたしょう。以䞋の゚ントリヌに進んでください。

たた、マヌケティング関連の゚ントリヌは以䞋のペヌゞにたずめおありたす。こちらも参考にしおください。